• 2024.08.23
  • RFID

ICタグ(RFID)で管理するメリットは?具体的な方法も紹介

ICタグ(RFID)で管理するメリットには、次のようなものがあります。
・作業効率化が可能
・データの正確性を確保できる
・リアルタイムで情報を把握できる
・コストを削減できる
・トレーサビリティを向上できる
・セキュリティを強化できる

ICタグ(RFID)は、物流や在庫管理に革命をもたらす技術です。特に日本国内では、効率的な倉庫管理のニーズが高まり、ICタグの利用が急速に拡大しています。

この記事では、ICタグを利用するメリットや具体的な導入方法について詳しくご紹介いたします。

ICタグ(RFID)とは?

ICタグ(RFID)とは、無線通信を利用して物品の情報を管理するための技術です。
RFIDはRadio Frequency Identificationの頭文字を取ったもので、無線周波数を使用してタグとリーダー間でデータをやり取りします。こうして、従来のバーコードでは不可能だった“一度に複数のタグを非接触で読み取る”ことが可能となり、在庫管理や物流の効率化に大きく貢献しています。

RFIDの仕組み

RFIDシステムは、主にタグ、リーダー、データベースの3つの要素で構成されます。
リーダーがタグに無線周波数信号を送信し、タグがその信号を受け取って応答します。さらに、タグから送信されたデータはリーダーで受信され、データベースに記録・管理されます。
こうして、タグが貼付された物品の位置や状態をリアルタイムで把握することができます。

ICタグは、アンテナとICチップで構成されており、アンテナが無線周波数を受信・送信し、ICチップがデータを記録・処理します。

タグには、以下のような情報を含めることができます。
・商品の識別番号
・製品の詳細情報
・製造日や有効期限
・物流経路や配送状況

このように、多くの情報を一つのタグに集約できるため、管理を効率化できます。

ICタグの種類

ICタグは、使用環境や目的に応じてさまざまな種類があります。主な分類としては、以下のようなものがあります。

・アクティブタグ…電池を内蔵し、自ら信号を送信できるタイプ。遠距離での通信が可能ですが、コストが高くなります。
・パッシブタグ…電池を持たず、リーダーからの信号を受けて反応するタイプ。安価で小型化が可能ですが、通信距離は短くなります。
・セミアクティブタグ…電池を内蔵していますが、通信はパッシブタグと同様にリーダーからの信号に依存します。中距離の通信が可能で、バランスの取れた性能を持ちます。

RFIDについて詳しくは、下記の記事もご覧ください。

ICタグ(RFID)のメリット

ICタグ(RFID)は、物流や在庫管理において多くのメリットをもたらします。
ここでは、主な5つのメリットをご紹介します。

非接触でリアルタイムに読み取れる

ICタグは、バーコードとは異なり、非接触で情報を読み取ることができます。バーコードは、読み取り機を近づける必要があるため、読み取りに手間がかかります。一方、ICタグは電波を使って情報を送受信するため、非接触で読み取ることができます。

そのため、商品を手に取ることなくスキャンが可能です。バーコードでは読み取りにくい場所にある商品や、大量の商品をまとめて読み取る場合などで活用でき、作業効率が大幅に向上します。

特に、倉庫や物流センターでは、一度に大量の商品をスキャンできるため、在庫管理のスピードが飛躍的に上がります。リーダーがタグから信号を受け取る際、直接触れる必要がないため、汚れや損傷の影響を受けにくいというメリットもあります。

読み取りの精度が高い

ICタグは高い読み取り精度を誇ります。環境によっては影響を受けることもありますが、一般的にはバーコードに比べて誤読が少なく、正確な情報を取得することができます。

また、バーコードは、汚れや傷があると読み取れなくなることがあります。
一方、ICタグは電波を使って情報を送受信するため、汚れや傷があっても読み取ることができます。
さらに、バーコードよりも長い距離から読み取ることができます。

このため、在庫の過不足や誤出荷などのリスクが低減し、正確な在庫管理を実現できます。

多くの情報量を保存できる

ICタグには、多くの情報を保存することができます。製品の識別番号だけでなく、製造日、ロット番号、出荷情報など、詳細なデータをタグに書き込むことが可能です。

このため、物流プロセス全体でのトレーサビリティが向上し、品質管理や不良品の追跡が容易になります。詳細な情報管理によって、商品のライフサイクル全体を通じて効果的な管理を実現できます。

再利用できる

バーコードは、商品番号などの限られた情報しか保存できません。
一方、ICタグは、商品番号だけでなく、製造年月日や賞味期限、流通履歴などのさまざまな情報を読み書きすることができます。

一度使用したタグを新しい商品に貼り替えることで、タグのコストを削減できます。
特に、パッシブタグは耐久性があり、多くの環境で繰り返し使用することができます。
この結果、長期的なコスト削減が期待できるほか、環境への負荷も軽減できます。

偽造されにくい

ICタグは高度なセキュリティ機能を持ち、偽造されにくいという特長を持っています。
タグにはユニークな識別番号が割り当てられており、データの改ざんや偽造を防止する仕組みが組み込まれています。

このため、サプライチェーン全体での信頼性が向上し、不正な商品が混入するリスクを低減できます。また、ICタグを用いることで、商品の真正性を確保し、ブランド価値の保護にも実現できます。

ICタグを活用した管理のメリット

以上を踏まえて、備品や在庫などの管理にICタグを活用するメリットは、次の6点です。

・作業効率化が可能…手作業によるデータ入力や確認作業が不要になり、作業効率を向上できます。
・データの正確性を確保できる…ヒューマンエラーによるデータ入力ミスが減り、データの正確性が向上します。
・リアルタイムで情報を把握できる…ICタグから取得したデータをリアルタイムで把握することができ、迅速な意思決定が可能になります。
・コストを削減できる…在庫管理の精度向上や万引き防止などにより、コスト削減につながります。
・トレーサビリティを向上できる…商品の流通履歴を追跡することができ、トレーサビリティが向上します。
・セキュリティを強化できる…ICタグの偽造が難しいため、セキュリティが強化されます。

ICタグ(RFID)のデメリット

ICタグ(RFID)は多くのメリットを提供する一方で、いくつかのデメリットも存在します。ここでは、主なデメリットをご紹介します。

コストが高い

バーコードと比較すると、タグ自体やリーダーの価格が高いため、ICタグの導入には高い初期コストが伴います。システム導入やメンテナンスにも費用がかかります。

これが特に中小企業にとっては、初期投資が大きな負担となる場合があります。
しかし、長期的には効率化によるコスト削減効果が期待できるため、コスト対効果を慎重に評価することが重要です。

電波がないと読み取れない

ICタグは無線周波数を使用してデータを読み取るため、電波環境が整っていない場所では性能が低下します。
たとえば、金属や液体などが多い環境では、電波が遮断されることがあり、読み取り精度が低下することがあります。
また、電波干渉による誤読も発生する可能性があるため、導入前に環境の評価が必要です。

プライバシー侵害の懸念がある

ICタグには膨大な情報が記録されるため、プライバシー侵害のリスクが指摘されています。
たとえば、ICタグの付いたものを持ち歩くと、持ち主の行動がトレースされてしまいます。

このため、データの暗号化やアクセス制限など、セキュリティ対策を徹底する必要があります。適切な管理と運用により、これらのリスクを最小限に抑える必要があるでしょう。

ICタグ(RFID)の活用シーン

ICタグ(RFID)は、さまざまな業界で幅広く活用されています。
ここでは、製造業、流通業、エンジニアリング業における具体的な活用シーンをご紹介します。

製造業での活用シーン

製造業では、ICタグを用いることで生産プロセスの効率化と品質管理の向上が図られています。

在庫管理の効率化

ICタグは、原材料や部品の在庫管理において大きな効果を発揮します。タグを付けることで、リアルタイムで在庫状況を把握でき、必要なタイミングで適切な量の在庫を確保することが可能です。
この結果、在庫不足や過剰在庫のリスクを減らし、生産効率を向上させられます。

生産ラインのトラッキング

ICタグを各製品や部品に取り付けることで、生産ラインにおける追跡が容易になります。生産工程ごとにタグを読み取ることで、どの工程にあるかを正確に把握し、生産の進捗状況をリアルタイムで監視することができます。このように、生産の遅延を防ぎ、品質の安定化につなげることができます。

製造業ではこのほか、次のような用途でも活用可能です。
・工具管理…工具にICタグを装着することで、工具の貸出・返却を管理することができます。
・製品検査…製品にICタグを装着することで、検査結果を記録し、トレーサビリティを確保できます。

流通業での活用シーン

流通業においても、ICタグは商品のトレーサビリティや在庫管理において重要な役割を果たしています。

商品のトレーサビリティ

ICタグを商品に取り付けることで、流通経路全体を追跡することが可能です。
出荷元から最終的な販売場所までの移動をリアルタイムで把握し、商品の状態や位置を確認することができます。
この結果、不正流通の防止や、リコール対応時の迅速な追跡が可能になります。

効率的な棚卸

流通業では、棚卸作業の効率化にもICタグが役立ちます。一度に複数の商品をスキャンできるため、従来のバーコードに比べて棚卸作業の時間を大幅に短縮できます。
この結果、人件費の削減と在庫情報の精度向上が期待できます。

流通業ではこのほか、次のような用途でも活用可能です。
・物流管理…荷物の配送状況を追跡したり、配送ルートを最適化したりすることができます。
・商品認証…本物の商品と偽造品を区別することができます。
・賞味期限管理…商品の賞味期限を管理することができます。

エンジニアリング業での活用シーン

エンジニアリング業においても、ICタグは機器や資材の管理に利用されています。

資材の位置管理

大型の建設プロジェクトでは、多くの機材や資材が使用されます。ICタグを用いることで、これらの資材の位置を正確に管理し、必要な時に迅速に見つけることができます。
この結果、作業効率が向上し、プロジェクトの進行がスムーズになります。

機器のメンテナンス管理

ICタグを計測機器などに取り付けることで、メンテナンス履歴や使用状況を記録し、管理することができます。
こうして、機器の寿命を延ばし、故障を未然に防ぐことが可能です。
また、メンテナンス時期を正確に把握することで、適切なタイミングでの保守が行えます。

RFIDの活用シーンについて詳しくは、下記の記事もご覧ください。

RFID持出・返却ソリューション「TAGMATCH(タグマッチ)」のご紹介

ICタグを大切なモノに貼るだけで、一元管理できる管理ソリューションが「TAGMATCH(タグマッチ)」です。

管理したいモノにICタグを貼り付けた後は、ICタグをハンディリーダーにかざして読み取らせるだけのカンタン操作で、持出・返却記録を取ることができます。

棚卸や探索も楽に行え、不正持出の検知も可能。
棚卸対象を素早く読み取り、箱からモノを出したり、棚においてあるモノを下ろしたりせずに一括で読み取る ことができます。わずか数秒で読み取るため確認精度がアップし、棚卸業務を効率化できます。

まとめ

ICタグ(RFID)は、物流や在庫管理において多くのメリットをもたらす技術です。非接触でリアルタイムに情報を読み取ることができ、高い読み取り精度と大量の情報を保存できる能力を備えています。また、再利用可能で偽造されにくいという特長から、多くの業界で広く活用されています。

具体的な活用シーンとしては、製造業では在庫管理の効率化や生産ラインのトラッキング、流通業では商品のトレーサビリティや効率的な棚卸、エンジニアリング業では資材の位置管理や機器のメンテナンス管理など、多岐にわたります。

一方で、導入には高い初期コストがかかることや、電波環境によって性能が左右される点、プライバシー侵害のリスクがあることも理解しておく必要があります。これらのデメリットを対策することで、ICタグの導入効果を最大限に引き出すことができます。

この記事を参考に、TAGMATCH(タグマッチ)などのICタグ製品の導入を検討し、業務効率の向上とコスト削減を実現してみてください。

執筆者情報

タグマッチ運営チーム

持出・返却管理システムTAGMATCH(タグマッチ)が運営するブログです。タグマッチに関する情報を更新してまいります。

持出・返却管理システムTAGMATCH(タグマッチ)が運営するブログです。タグマッチに関する情報を更新してまいります。

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